不妊治療について

日本では、避妊をしていないのに1年以上妊娠しない場合を「不妊症」と定義しています。
1年経っても妊娠が認められない場合に、まずは不妊検査をおすすめしています。
その結果、治療が必要と判断した場合は、ご夫婦のご要望もお聞きしながら、適切な不妊治療を行っていきます。
検査
以下の3つの周期沿って、その時期に必要な検査を一通り実施していきます。
検査は、基本的にどの周期から始めても問題ありません。初診時の周期によって、その後の検査スケジュールを個別に組み立てていきます。
※検査には月経周期に合わせて行う検査と、どの時期でも可能な検査があります。また治療に従って行う検査もあります。

月経期(低温期)
ホルモン検査(採血)
月経が始まってから3~5日目に行い、月経期の女性ホルモンの状態を調べます。風疹の抗体検査
必要な方のみ行う検査です。排卵期
子宮頸がん検診
おりもの検査
腟内からおりものを採取し、不妊の原因となる菌がいないかを調べる検査です。超音波検査
子宮の状態(子宮筋腫や子宮腺筋症の有無)、卵巣の状態(卵巣嚢腫の有無)を確認します。
※排卵日が近い場合は、排卵日の予測とタイミング指導を行います。
黄体期
黄体ホルモン検査(採血)
高温期の女性ホルモンの状態を調べます
その他の検査
精液検査(男性の検査)
当クリニックからお渡しする採精容器を使って、ご自宅で採精してお持ちいただき、精液の量、精子の数、運動率、奇形率、正常形態率などを調べます。ご主人に直接来院いただく必要はございません。
また、検査の時期は、排卵期以外をおすすめしており、相談しながら決めさせていただきます。
以下の検査は当クリニックでは行わず、JUNレディースクリニック(本院)で行います。
卵管造影検査(HSG)
子宮に造影剤を注入して、その広がり方をレントゲンで見ることで卵管がきちんと通っているのか、子宮に奇形や腫瘍などがないかなどを調べる検査です。
※使用している造影剤は、水溶性のヨード剤となっています。
※甲状腺疾患のある方、腎機能疾患のある方は、検査が延期または中止になることがあります。
※本検査により卵管の狭窄や閉塞が認められた場合は、通水治療または他院へご紹介の上、卵管鏡下卵管形成術を受けていただくこともあります。
※本検査後、すぐの妊娠も可能です。
検査で子宮、卵巣、ホルモンの状態などを正確に調べ、異常の有無を確認した上で、以下のようなステップで不妊治療を行っていきます。
治療
STEP1.タイミング法
自然妊娠の確率を高める方法です。基礎体温を計測いただいた上で、排卵日が近づいたら来院していただき、経腟超音波検査や排卵検査薬(尿LHチェック)により排卵日を正確に予測します。
一般的には卵子が18~20mmくらいの大きさになると排卵するため、卵子の大きさから排卵日を予測します。指示されたタイミングに合わせて性交渉を行っていただき、妊娠の確率を高めます。
STEP2.ホルモン剤・漢方薬
タイミング法に併せて、適宜排卵誘発剤や漢方薬を組み合わせ、より排卵を確実にし、妊娠しやすい状態をつくります。
タイミング法、ホルモン剤、漢方薬などによる治療を3か月~半年続けても妊娠しない場合は、次のステップ(人工受精)をおすすめすることがあります。早めに人工授精をご希望の場合は、早期に次のステップへ進めることもできますので、ご相談ください。
またこのタイミングで、抗精子抗体検査をおすすめすることがあります。
STEP3.人工授精
排卵のタイミングに合わせて事前に採取した精子を、調整濃縮し注射器に付けた細いチューブを使って直接子宮内に送り込む方法です。
卵胞が20mm程度まで育ったタイミングで注射又は点鼻薬などによって排卵を促し、その翌日に人工授精を行います。
基礎体温表をつけましょう
正確な検査や治療のためにも、自分の基礎体温を正しく把握することが非常に重要です。毎日体温を記録しておくことをおすすめします。
※基礎体温表ではなく、アプリなどを使用して記録していただいても構いません。
産み分けについて
女の子の産み分け
ピンクゼリーの使用を使用してのタイミング法をおすすめしています。潤滑剤のようなゼリーを性交渉の時にご自身で膣内に挿入していただきます。
ピンクゼリー(5回分) | 11,000円(税込) |
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男の子の産み分け
リンカルというサプリメントを使用します。リンカルは服用3ヶ月後から効果が出ます。3ヶ月より前に産み分けを行いたい場合は、グリーンゼリーを併用していただきます。
グリーンゼリー(5回分) | 11,000円(税込) |
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リンカル(1か月分) | 4,860円(税込) |
当院の治療実績
2022年9月から2025年1月までに当院で治療された不妊症例についてのまとめです。
当院での治療をお考えの方の参考なればと思います。
症例
2022.9〜2025.1

全症例数:277例
29歳以下:91例 30~34歳:99例 35~39歳:70例 40歳以上:17例
平均年齢:32.1歳 中央値:31.5歳
以下の表は年別の症例数と転帰について示しています。
なお、症例数には転院や治療を中断した症例も含まれています。
2022.9~2023.8 | 2023.9~2024.8 | 2024.9~2025.1現在 | |
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症例数 | 90 | 126 | 66 |
妊娠例 | 39 | 47 | 9 |
転院 | 19 | 25 | 2 |
中断 | 28 | 32 | 0 |
※半年以上受診歴がない症例を中断としています。
症例あたりの妊娠率、流産率
2022.9〜2025.1

全妊娠症例:95例(症例あたりの妊娠率:34.2%)
29歳以下:35例(38.5%) 30~34歳:32例(32.3%) 35~39歳:22例(31.4%) 40歳以上:6例(35.3%)
全流産症例:19例(症例あたりの流産率:20.0%)
29歳以下:8例(22.9%) 30~34歳:6例(18.8%) 35~39歳:2例(8.7%) 40歳以上:3例(50.0%)
各年齢での妊娠率に大差ありませんが、40歳以上の妊娠症例はすべて今までに妊娠したことのある方で、さらに流産率も高いため、できるだけ早く治療を開始することをお勧めします。
一般不妊治療による累計妊娠率
2022.9〜2025.1

このグラフは妊娠された方が、何周期目で妊娠に至ったかを示しています。
4周期目までで妊娠したのが、全妊娠例の8割(80.2%)、6周期目までで全妊娠例の9割(92.7%)に達しています。
7周期目以降でも妊娠例はありますが、すべて今までに出産したことがある方でした。
この結果から6周期を目安に体外受精へのステップアップをお勧めしています。
妊娠例の治療法
タイミング | 排卵誘発(内服) | 排卵誘発(注射) | 人工授精(AIH) | 排卵誘発+AIH |
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46 | 35 | 3 | 2 | 9 |
〒660-0807
兵庫県尼崎市長洲西通1丁目4-15
ディアコート尼崎クリニックモール3階 F号室
06-6401-0188
- [院長] 松岡 亜希
- [診療科目] 婦人科・産科
- [アクセス]
JR尼崎駅 南口より徒歩3分
駐車場あり(割引あります)
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:15-16:00 | ● | ● | 〇 9:15~ 13:00 |
● | ● 9:15~ 13:00 |
● 9:15~ 13:00 |
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〇:臨時休業の場合はホームページでお知らせします。
休診日:水曜日・金曜日・土曜日午後、日曜日・祝日